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3月 16 2008
酒のある風景 バングラデシュ プリント
2008/03/16 日曜日 00:00:00 JST

デルタの恵み・・・魚と米

著者:料飲専門家団体連合会事務総長 右田圭司

明るいバングラデシュの人々


日本の日の丸をまねたかと思うような国旗の国があります。それはバングラデシュ。色は緑を基調とし、真っ赤な丸が少し左に寄っています。

バングラデシュといえば、ムハマド・ユヌス氏が創設したグラミン銀行が、低所得者層に少額無担保融資をする活動で注目されたことも記憶に新しいのではないでしょうか。その影響で、貧困層やムスリムの女性たちに働く意欲がわいたのは大変画期的なことでした。

この国には3つの川が流れ込んでおり、国土の大部分がデルタ地帯です。この豊かな土地は雨期を除き1年中、豊かな農産物をもたらしてくれます。多くの川や沼地があるこの国の食事は「魚と米」が中心といわれ、確かに川魚をよく食べます。イリシュというニシン科の魚やルイマスというコイに似たものがポピュラーで、市場でも飛ぶように売れていました。

 

              

                             

 

 

首都のダッカは、とてもインド的です。しかし、のんびりとした商人やお人よしで時には度が過ぎるほど親切な人々には田舎の良さが残っていると感じました。

食事もインドに近いベンガル料理です。ダッカには軽食を売る店はたくさんありますが、飲食店はごくわずか。やっと見つけたと思ったら、座った途端に有無もいわさず、本日のお勧め料理を出してくれるような定食屋さんでした。

 



 


テーブルに乗り切らないほどの料理の数々で、もてなすのが、バングラデシュ流。


この国に貧困層が多いのも、その要因の1つかもしれません。外食よりも家の食事に招くことが最大の”もてなし”とされます。今回ガイドをお願いしたムスランさんも、家に招待してくれました。決して裕福とはいえませんが、彼の母親はテーブルに乗り切らないほどの料理を並べ、これがバングラデシュ流のもてなしだと誇らしげな様子でした。


バザールで人気の魚・イリシュ

 


メーンのイリシュカレーはベンガル料理の代表的な料理。これは魚のシンプルなカレーです。続く焼き魚もイリシュ。小骨がくせものですが、ターメリックやチリパウダーの香辛料が食欲をそそります。

ダルブリは豆のカレースープ。日本の味噌汁のように各家庭の味があり、懐かしい味がします。どれも本当においしく、経済的に苦しくても精一杯お客様をもてなす様子に胸が熱くなりました。その優しい味は決して忘れることができません。

アルコールに関しては、ここはムスリムの国ですから基本的に飲む習慣はありません。しかし中東のように厳格ではないため、実は現地の人々の中にもお酒好きがいるとか。では彼らは何を飲んでいるのでしょうか。ダッカに数軒しかない酒店を訪ねたところkeru&co(ケル)というブランドに出会いました。なんとウイスキー、ジン、ウォッカ、ブランデー、ラム等を製造しているといいます。

しかし、ベースはすべて砂糖きびの黒みつからできたスピリッツ。これに香りと味をつけ、イミテーションとして造っています。とてもおいしいといえるような代物ではなく、お金持ちは輸入物のお酒しか飲まないそうです。

酒店のおじさんがウインクしながら教えてくれたのが、バングラデシュではノンアルコールビールがひそかに流行しているということ。売れ行きは好調だそうです。もしかすると、お酒好きのムスリムは、自責の念を込めて時々ノンアルコールビールで憂さを晴らしているのかもしれません。

まだまだ発展の余地があるバングラデシュ。貧困のイメージはありますが、実に気持ちよく旅できる場所でした。何年かしたら、また必ず訪れたいと思います。

 


 
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