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3月 05 2009
酒のある風景 ベトナム プリント
2009/03/05 木曜日 00:00:00 JST

蒸し暑い気候、軽快なビアホイは最高

著者:料飲専門家団体連合会事務総長 右田圭司

ベトナム市内


 

南北およそ2000キロにもわたる細長い国ベトナム。その文化を一言にまとめるのは難しく、北部、中部、南部とそれぞれ個性的です。それもそのはず、50以上の民族からなる多民族国家で、周辺国からの影響も強く受けており、歴史的にフランス植民地時代の名残をとどめています。

 



 

 

中国やタイのように、ベトナムの首都部でも外食は日常茶飯事。市場の脇や路地裏などで見掛ける簡易屋台が重要な役割を担っています。 

都心の昼食時に合わせて、ノン(ベトナム独特のわら帽子)を被った農村の人々が、てんびん棒にさまざまな食料などを乗せてきます。お決まりの場所に屋台を広げ、最後に日本の銭湯で使うようなカラフルなプラスチック椅子を並べれば準備完了。おいしいと評判の屋台は、現地の人でいつも満席です。出す料理は屋台ごとに異なり、食文化の多様さを象徴しています。惣菜やめん料理、バケットサンドイッチなど、どれを選んでよいのか迷うほど。お茶文化もほかの東南アジアよりも根付いており、専門の屋台もあります。食後に緑茶や甘いコーヒーで胃袋を休めるのは世界共通のようです。

ちなみに私が気に入ったのは、バケットサンドイッチの屋台。豚のパテやたくさんのハーブ、魚のすり身団子をはさみ、最後には魚醤で味付けという想像すると奇妙なものですが、これが食べてみると抜群のコンビネーション。

食べているうちに、ベトナムの食の中国的な部分、そして日本に近い部分、いかにも東南アジアらしい生野菜を多食するところなど、さまざまな要素を感じられ楽しめます。

また、ベトナムの高級料理は世界屈指のレベルといえます。東洋と西洋の良い部分を自国の料理に取り込み、独特の美意識を加えて確立させた料理の数々。ベトナム人シェフの腕は世界でも評価が高く、海外へヘッドハンティングされる人もたくさんいます。

 



 
 

説明

食事中のお酒はビールが一番多いようです。国内消費量も多いビールには「333」や「ハノイ」など国産銘柄もたくさんあります。かつては、お世辞にもおいしいといえなかったそうですが、今では技術も機材も発達し、昔とは雲泥の差とか。「ビアホイ」は国内で販売される工場直送生ビールです。

 

 

 

居酒屋へ行くと、ビールの入った大きなタンクからチューブが出ていて、それでジョッキに注いでくれます。蒸し暑いベトナムの気候に軽快なビアホイは最高です。

 

 また伝統的に飲まれてきたものに、もち米からできた濁酒や焼酎があります。残念ながら今では郊外でしかその姿を見ることができません。製造方法は各家で異なります。私が見せてもらったのは、蒸したもち米に草麹を混ぜ込み、水を注ぎ、ポリバケツに仕込んだお酒を3~4日発酵させてから蒸留したもの。気温の高いベトナムでは醸造酒では腐りやすいために焼酎が造られたのかもしれません。ベトナムにはほかにも濁酒に焼酎を加えて発酵を止めたものや、北部の民族が飲む壷酒などマニアックなお酒がありますので、またどこかでご紹介したいと思います。

 

 




 
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