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5月 02 2008
恐るべし紹興酒・ウェライなど プリント
2008/05/02 金曜日 00:00:00 JST

ユニークな酒情報に識者の関心が集まっている

 3月13日、ゆりかもめ竹芝駅そばのホテルコンチネンタル東京ベイにて「ウェライを楽しむ会」が開かれた。これは紹興酒・ウェライの唐宋酒業有限公司の朱社長の来日を記念して開かれたもので、50名ほどの列席だった。このような酒の会では、大方がマスコミや業界紙、誌の記者が多いものだが、マスコミ関係では私と日刊スポーツのみで、他は大半が流通関係だった。
(株)イズ・プランニング寺田社長をはじめとして、(株)イズミック、(株)リョーショクリカー、三井食品(株)、(株)広屋国分、若松酒造(株)、カメイ(株)などで、(株)エム・アイ・プランニングの設営によるものである。
この会で私は挨拶を頼まれたので「日本酒にとっての脅威は紹興酒ではないかと思う」と素直な感想を話した。わが国における原料米の値段を中国の現地でのそれと比べてみれば明らかであり、醸造酒として同じ土壌に立てば、熟成などでも紹興酒に有利な点が多いことを述べたのだが、当日に並んだウェライもかなりの水準だった。この唐宋酒業有限公司は紹興酒原産地商標の使用許可を最初に取ったところで、多くの金賞も受賞している。
中国の酒取材は何度も行っているが、近年は専ら蒸留酒の白酒の蔵元ばかりで、紹興へは10年以上足を踏み入れていない。スケジュールの調整がうまくいけば紹興の最近の動向を調べてみたいと思っている。

 2月27日(木)には池袋のホテルメトロポリタンで山形酒展示会が行われ、酒造組合総勢56蔵元のうちの23蔵元が参加した(別表)。
この日は酒造好適米の精米のサンプルを配るなどして、小関敏彦氏の懇切丁寧な説明や料理との相性の講演など、至れり尽せりだった。参加蔵元はそれぞれ特徴ある酒を数種ずつ持ち寄って強く訴えていた。
3月6日のグランドプリンスホテル赤坂での秋田の酒きき酒会には 26蔵元(別表)が参加。3人の女性著述家によるパネルディスカッションの後、酒パーティーが開かれ、流通や料飲店、マスコミ関係者などの熱心な面々がつめかけた。
山形や秋田のこのような催しは続けることに意義があり、これまでの積み重ねによる実績は静かに広がっているようだ。効果は徐々に出てくると思う。






 3月11日〜14日の幕張・フーデックスに行ってきた。4日間の入場は96,328人で昨年より600人増。本格焼酎は中央会の援助でブースを広げていたが、日本酒はその補助がなく、個々の蔵元やグループ、問屋などが散見される程度だった。蔵元では、まんさくの花、菊水、大七、真澄、桝一、奥の松から独立した人気一など。大手10社グループの心美体、名門酒会、味のまちだやなどの流通も頑張っていたが、やはり従来の盛況に比べると全体的に日本酒低調の感は否めない。こういう時こそ訴えるチャンスなのだが……。
例年通りながらサンプル、試供品の手渡しはすさまじい。これらを全部まめに受け取って口にしていれば、それだけで満腹してしまいそうだ。私が行ったのは最終日だったので、中には業者ではないと思われる婦人が手提袋一杯に試供品をつめ込んでいたりしていた。業者も残品を持ち帰るのを躊躇ったのだろう。
フーデックスのような会は、いわば商品のデモンストレーションだけに、派手に目立って訴える力があればいいわけで、それだけに元気のない日本酒業界が気になってならなかった。

 当欄の原稿に限り「日刊経済通信社」のデータを参考にさせて頂いた。今、どんな銘柄がどの程度売れているかを知ることは決して無駄ではあるまい。生産高は石数で表示してある。
出荷量10位までの動向
 1位は白鶴で30万石を超えるのはここだけ。○(まる)のテレビCMはお馴染み。酒造好適米・白鶴錦など、こだわりの部分にも前向き。月桂冠も「つき」が広がる一方で鳳麟も好調な伸び。松竹梅は「天」とこだわりの「白壁蔵」が徐々に広がっている。大関はワンカップの元祖だけにジャンボの270mlやブラックの200mlも好調で、ワンカップだけではトップの8万石を超える。日本盛はカロリーオフのグリーンパック・健醸が健康志向の時代にうまくマッチした。世界鷹グループは埼玉の小山本家酒造を中心に北鹿、京姫、雪椿、賜杯桜、浜福鶴、越の日本桜などの蔵元の大容量パックで伸びた。黄桜は辛口ばかりではないがテレビCMの辛口一献が貢献。続くオエノングループには合同酒精、福徳長、富久娘、秋田県醗酵工業、北の誉、越の華が入っていて、ここもまた大容量パックに力を入れている。菊正宗は昨年、珍しく普通酒を出したが、特定名称酒は灘では剣菱に次いで多く中でも生もとはよく知られている。
11位から40位まで
 11位の白雪は清酒発祥の地として「伊丹」を強調する一方、上撰や超特撰が好調。白鹿は高級酒・山田錦にこだわったシリーズなど独自路線を行く。清州桜は鑑評会出品用に造る酒以外はほとんど普通酒で知られる蔵元。米だけの酒を謳う沢の鶴は純米大吟醸の瑞兆でも伸ばしている。剣菱は紙パックがなく1.8L瓶のみで、特定名称酒比率は灘では最も多い。新潟の朝日山は久保田と越州の銘柄での特約店の扱いが難しいようだ。菊水の生産体制はなかなかで、「生」はこれからもかなり伸びそう。燗漫は今でも東京市場を重視したい姿勢と見た。高清水は県外出荷でも本醸造に力を入れている。立山は組合から脱会してマイペース路線をゆく。千福の県外出荷では純米大吟醸・蔵にポイントを置くべく努めている。
21位のねのひはカロリーオフ、糖質オフ、低アルコールの健康酒が評判。白牡丹は独自のソフトな酒質で根強い愛飲層をもつ。
賀茂鶴もまた古くからのドリンカーに支えられる一方、新機軸でも面目発揮。北冠は栃木の大衆酒で知られる。土佐鶴はテレビCMなどで首都圏へも進出に意欲の銘柄。谷の越は普通酒で今日を支える。一ノ蔵は特別純米辛口や発泡性の「すず音」などが伸長。会津ほまれも昔変らぬ地盤は守っている。国盛は普通酒が支えているが、純米酒も伸びている。銀盤は地元で生貯蔵などが健闘。
31位の国乃花、次の吉乃川などは地元の愛飲層や料飲店への浸透。福正宗が「純米酒宣言」をしたのはよく知られている。熟成酒の歴史も長く、それらが実っている。吉乃川は特定名称酒が伸びている。浦霞は特定名称酒がほとんどで贈答品にもよく使われている。いそのさわは福岡県でトップと健闘。真澄は地元と県外出荷が半々で県外の1割ほどは海外へ。新政は堅実路線。鷹正宗は大半が普通酒であることはよく知られている。
41位から6千石台キープの60位まで

 41位は熊本県の美少年と、次の北海道の男山はそれぞれ順位を3つ上げた。10号酵母の水戸の福将軍に次ぎ、カップ酒グランプリで話題となった愛媛県の梅錦がランクを2つ上げた。奥の松は前社長が人気一という別の蔵で銘柄を興したためにやや減少。白瀧は特定名称酒に面目発揮。岡山県の喜平は昔から静岡方面に新婚という銘柄で広がっている。金鹿は大関の傘下に入ったための減。神聖は伏見の中堅として頑張っている。50位のあさ開は金賞受賞の多い名杜氏がバラエティ豊かな製品を次々に打ち出している。
51位の栄川は酒造場を移して新体制を整えた。出羽桜は営業努力が実ってやや上昇。地元に根づく奥飛騨。香川県の金陵は「よいまい」の純米をはじめ濃醇純米など新しい切り口も好評。静岡県の花の舞は製造内容を静岡産にこだわって伸ばしてきた。末廣は山廃に面目発揮の一方、「ぷちぷち」なる発泡酒なども好調。大分の老松はネットに力を入れている。両関は両関伝説など、ここもこだわりの純米酒に注力。千歳鶴は純米吟醸で伸びた。60位は伏見のキンシ正宗で6千石台を辛うじてキープしている。


  久しぶりに銀座の酒売場を歩いた。BIGでは「BIGの和酒リスト」を一覧にしていて、こだわり焼酎として225種、こだわり大吟醸として21種、こだわり特定名称酒1升瓶として58種、さらに梅酒、和酒リキュールなどが並んでいた。
中には村尾(900ml=14,490円)とか、佐藤黒麹(720ml=8,799円)などというべら棒な値段もある。芋焼酎ブームは過ぎたといわれながらも銀座でこれらを飲む客も多いらしい。
日本酒では久保田萬寿(1.8L=6,279円)、峰乃白梅・斗瓶取り雫酒・大吟醸と開華斗瓶取り雫酒(どちらも720ml=5,250円)が値段の高いところ。
梅酒では蝶屋限定熟成酒梅酒(720ml=3,150円)とか鳴門鯛にごり梅酒(720ml=3,990円)などが高い。
いずれにせよ、昔の安酒の店から「こだわり」で脱却したいという狙いが見える。

 松坂屋では八海山が1.8Lからカップまで大小取り混ぜての大量陳列だったが、見た限りではそれほど売れていない。
三越は地下1階から地下2階へと売場を変えた。 新潟の白竜は相変わらず根強い。従業員がこの蔵元へ研修に行った10年余り前からである。松屋は「関東地区の酒はこれまであまり出ないので置いていませんでしたが……」といいながらも神奈川のいづみ橋の試飲会をやったばかり。売場担当は最北端の国稀に力を入れようと思う、などとも語っていた。


 
 
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