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4月 23 2008
酒のある風景 台湾 プリント
2008/04/23 水曜日 18:20:00 JST

独自に発達、ベジタリアン料理

著者:料飲専門家団体連合会事務総長 右田圭司

台北のランドマーク、圓山大飯店 


皆さんは旅をしていて、その国に「日本」を感じてうれしくなったことはありませんか。今回訪れている台湾には、半世紀以上も前の日本文化が残っており、優しく日本人を受け入れてくれるような気がします。
19世紀末から20年以上にわたり、日本は台湾を統治していました。この不幸な歴史が過去になりつつある現在、当時、日本から持ち込んださまざまな文化が根付いています。
その1つが日本的温泉です。お勧めは台北市近郊の北投温泉。ここは硫黄温泉で有名ですが、病中病後の治療効果に最も適したラジウム泉もあり湯治をするのにもってこいです。
のんびりと温泉につかっていると、日本語を流暢に話す台湾人のおじいさんが当時の思い出を語ってくれました。日本を恨むことなく平和な生活を懐かしむ話にほっとする思いでした。
ほかに日本の影響を受けているものに「清酒」があります。今回、私は台湾清酒の「玉泉清酒」を訪れました。台湾の清酒は知名度こそ低いかも知れませんが、その歴史は日本統治時代にまでさかのぼります。

台北市内にある清潔な工場は、日本の大清酒メーカーかと思うほどの大規模なものです。主に純米酒を製造しており、台湾に行かれたら是非味わって欲しいと思います。台湾の米や水は日本のものと比べても遜色なく、酒造りに適しています。設備も多くが日本製で、よく管理されており、全体的に日本のメーカーに勝るとも劣らない素晴らしいものです。
もともと酒類は国営企業が専売していましたが、近年の規制緩和によって様々な足かせが取れたようです。工場の方のお話ではその時期に飛躍的に品質が向上したそうで、その折、日本人に技術指導をしてもらったと、うれしそうに話してくれました。研究はいまも続いています。私にテイスティングコメントを求め、消費者が望む清酒についてマーケティングも大変熱心です。
台湾には啤酒や老酒をはじめ多くの美酒がありますが、残念なことにお酒を嗜む人は少ないとか。清酒の市民権もまだ発達段階ですが、今後、多くの人が味わってくれることを願っています。比較的甘めのお酒は中華料理との相性も抜群で、きっと楽しめるはずです。
台湾にきてまで清酒を飲むなんて、と思われるかも知れませんが、是非、両国間の調和と融合にロマンをはせ、味わい飲んでみて下さい。

美味な素食の1つ「カキフライ」風料理

さて次は料理について。台湾の食文化はとても多彩です。台北のみならず、この小さな島によくもこれだけおいしいものがあるものだと思います。中でも虜になってしまったのが「素食(スーシー)」。町を歩いていると、この文字をよく見掛けます。
これはベジタリアン料理のことで、肉や魚、卵を使っていません。本来は仏教寺院の精進料理ですが、台湾で独自の発達をとげ、今では見た目も豪華な台湾料理 そのもの。味も普通の料理、いやそれ以上の大変美味しい料理です。素材に野菜が多いため、食べ過ぎても胃に優しくもたれません。
また大豆や小麦のグルテン質を利用した面白い料理も多く、ステーキ風や揚げ物風も一度は食べてみたいものです。私は「カキフライ」を食べましたが、まるで 本物の「カキ」のようでした。ちなみにその正体はホウレンソウを練りこんだタンパク質。バジルの葉をあえてあり創作料理ともいえます。
それにしても、台湾人の食に対する思いの強さを見せつけられました。あとは、これだけ多彩な料理のかたわらに、台湾の美酒を添える食文化が発達してくれることを祈るだけです。
 
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